普通じゃない友達ができたら、貴方はそのまま友情を貫けますか?

誇れる特技もない、友達もいない…
枯れた青春に自己嫌悪していた僕の平凡な学校生活は、前触れもなく変化する。
「俺が友達になってやろう!」
ガタイのいい先輩に声をかけられ、言われるままに連れて来られた部活は鬼と魔女が作った異種族による部活だった。
部活内で僕が課された目標は
『鬼と魔女に人間社会のことを教えてトラブルなく卒業させること』
(……僕にそんなこと、できるのかな?)
更に鬼と魔女以外の種族もメンバーに加わって……!?
Contents
「普通な僕と、普通じゃない僕の友達」の基本情報
■ジャンル■
平凡男子高校生と人外男子&女子たちの織りなす友情ノベルゲーム
プレイ時間/約2.5~3時間
■キーワード■
学校・人外・種族を超えた友情・コメディ・心が暖かくなる・感動系
■オススメポイント■
- ラノベ系なタイトルとは裏腹に、人間と人外キャラが綴る『本当の友情と信頼』が問われる奥深いシナリオ
- 平凡だけれど一生懸命で健気故に応援したくなる主人公
- 特別な力を持っているからこそ理不尽な目にあってきたキャラクターたちの描写が心を抉りにかかってくる
- エンディングが笑える物から感動物まで超多彩
■ストーリー性について■
特技&友達無しな転校生・はじめがひょんなことから、鬼・魔女と内緒の部活動を始めるストーリー。
最初こそはコメディが多めなものの、人種差別や大切だからこそ言うべきことなど、ユーザーの胸に深く残るシーンがたくさんあるのが魅力。
最終的に到達するエンディングは切ないながらも希望があり、気持ちが洗われる。
■プレイのしやすさ■
タップをして会話を進めるノベルゲー形式。選択肢によって展開・エンディングが変化する。
バッドエンドになった際は広告視聴ですぐに選択肢に戻れる機能が便利なものの、仕様上、スキップができないのがちょっとだけネック。
■課金要素■
本編中に課金要素は無し。
最終章クリアユーザー対象に、オマケシナリオが見れる課金コンテンツがある。
(詳細は条件を満たした際に表示される仕組み)
「普通な僕と、普通じゃない僕の友達」ここが面白い!
平凡男子・鬼・魔女・天使のカオスだけれど熱い友情

部活に入りたくても入部テストには落ちる、そもそも自分には部活で活躍できる特技がない、友達はできない、人に名前を覚えられない……
無い無いまみれで自己嫌悪状態な男子高校生・はじめは、鬼塚という少年に声をかけられたことを機に『鬼』と『魔女』が所属する部活に入ることに。


鬼の鬼塚と、魔女の真条は「人間社会にとけこみ、生きていく」ために自身の素性を隠して学校生活を送っている身。
二人が人間社会に出る条件は、卒業までトラブルなく学校生活をきちんと送り、部活動をすること。
はじめは二人が学校生活をスムーズに送れるよう、卒業しても人間社会で生きていけるよう、サポートをする役割を引き受け、物語が本格的に始動します。
鬼塚は強靭な力を持つ鬼故に周囲と仲良くなりたくても畏怖され続け、相手との距離感が把握しきれなかったり、力の加減が分からない様子。
真条は、魔法という特殊な特技を持つ魔女故に先祖の代から多数の裏切りに遇っていることから人間不信気味になっている状態かつ、面倒事は魔法で解決させる性格。

それぞれの感覚が噛み合わず、喧嘩になるケースも大半ながら三人は、目を逸らさずに対話をし、意見を言い、トラブルの元をしっかり解決させ仲直りし…を繰り返して信頼を結んでいきます。

そして、途中からは全ての人種を管理する権限を持つ天使・いのりが加わり、部活メンバーは益々カオスに。

いのりの入部で多少、仲がこじれるイベントは発生するものの、
学校生活・職業体験・林間学校などを通じて固まっていく四人の信頼関係が『種族』や『立場』が関係なく増していく姿は、プレイヤー側の心に響いていきます。

残酷にも崩れる日常…各キャラが下す決断とは!?

前半は後味の良い締めな話が描かれる矢先、後半では、とある事件が勃発することで、それぞれの気持ちがバラバラになって部活の存続が危うくなる展開に。
更に、追い打ちをかけるように脅迫状が届いたり、怪我人が出る事件が発生し、犯人が部活メンバーだと疑惑をかけられ……
学校に馴染めてきたと思ったら…と、どん底に落とされる鬼塚と真条。
立場的な理由で全面的に部活メンバーに肩入れできない、いのり。
そして、はじめは『ある人物』からとんでもない話をもちかけられてしまいます。
はじめ・鬼塚・真条・いのりがそれぞれ部活のこと・自分の気持ちを考えて下す決断とそれによる結果は、人種関係無く『友情のありかた』を考えさせられる内容です。
はじめの性格は『普通』にみえて『普通じゃない』説
↑画像左側のポスターにガタッとなった方は友達になってください
存在感はお察し。学歴、運動神経はギリギリ普通で、得意なものがないと語る主人公のはじめ。
序盤は相当のネガティブっぷりですが、自分の駄目なところを認めて少しずつ変わって行く姿が見られます。

友人の今後のため、あえて同意をせずに、手厳しい意見を言う。
これは普通に見えて、実際には意外とできなかったりします。
(自分の駄目なところを受け入れられる部分も同じく)
また、終盤で『ある決断』をせまられた時、はじめは逃げずに選択をしました。
鬼塚・真条・いのりへの想いを考えながら。
はじめの成長は、大切な友人たちができたから…かもしれませんが、人によっては友人がいても変われないしわが身可愛さに裏切る人もいます。
そんな彼に対して私は
『一般的に普通と称されている』けど『実際にはできないこと』をできる
普通だけれど普通じゃない子(もちろん、褒め言葉です)説を推したいところ。
はじめが本当に『普通』で『とりえがない』男子なのか?
こちらを注目するのも本ゲームをより楽しめる要素となっています。
プレイした感想
4人の日常や学校生活、サザエさん時空でずっと眺めていたかった…
最初こそギスギスしていたり、見えない壁が出来ていたキャラクター同士が少しずつ歩み寄ってそれぞれの事情を受け入れて行くドラマ性が濃厚なのはもちろんなこと、選択をミスした際の後味の悪さも、それぞれが持つ闇とリンクしているのが良い…!
(コンビニ研修パートのバッドエンドたちが個人的に鬱になりつつ好きでした)
上で触れましたが、はじめは『普通』な子に見えて、普通ではなかなかできないことをやり通した漢らしさがとても好きです。
むしろ彼はタイミングに恵まれないだけで、コミュ苦手ではないのでは…という時も。
『怪異掲示板』『アイ・ビー』の時同様、男女グループ特有のギスギスや恋愛ありきの修羅場が無いのも好きなポイントですが、はじめ・鬼塚・真条・いのりの四人は、どのコンビも萌えるし仮に2・2でカップルになっても絶対に平和なのが更にたまりません。
あと、いのりが真条にちょっかいだす百合ケンカップルな関係がツボなのを主張したい。
バッドとは別枠なアナザーストーリーエンドたち、前作以上に遊びまくってて殆どのやつで笑いました。
特にバンドエンド(HAJIME、超ノリノリやん!!)・マグロ漁船エンド(鬼塚がいつか伝説の台詞「マグロ、ご期待ください」が似合う男になりそう)がお気に入り。
また、恒例の過去ゲー宣伝エンドも健在で個人的に嬉しかったです。
(いつかEntabridgeゲーのキャラクターたちが一気に集まるお祭りゲー出て欲しいと本気で願っているファンです)
個人的に黒幕の過去時代もクリア後に見れたら面白かったのになとこっそり感じてみたり。
(黒幕があそこまで追い詰められて強行にでたサイドストーリー的な)
…ただ、バッドエンド確定なので見たら見たで落ち込みそうですが。
そういえば、全シナリオコンプ後のおまけシナリオで明かされた制作秘話が色々衝撃的でした。
鬼塚の中に●●が……
そして、最後のはじめの台詞に癒され『またね』が現実して欲しい次第です。
また、課金コンテンツである追加シナリオも各キャラの個性が出ていてニコニコしていたらラストの某描写があるエンディングと繋がっていて驚きつつ涙腺が緩む素敵な内容でした。
クリアした方はぜひぜひ併せてやってみてください。
(有料コンテンツなので詳細は割愛)
余談ですが、管理人は最終的にはじめ推しになり、「はじめの母親になりたい」とかよく分からない気持ちを抱くレベルに達しました。