友人を見捨てた罪悪感に苦しむ少年が踏み出す先は?

「僕はキミのせいで心に傷を負ったんだ。許さない、僕の人生を狂わせた裏切り者…!」
僕は定期的に悪夢を見る。
大切なはずだったのに、見捨ててしまった友人の夢を。
(もう今更どうしようもないのに……)
過ぎてしまったこと、修復などできない過去と思いながらも、割り切ることができなかった。
だからと言って、打開策は無い。
これからも、この状況を受け入れ続けるべきなんだ。
そう思っていたある日、互いに無干渉だった妹から、驚くべき提案をされて……
■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※
ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/23454
ノベルゲームコレクション
https://novelgame.jp/games/show/3630
■製作者さまのホームページ■
みづしきさまの運営サイト
http://amanomiz.blog.fc2.com/
Twitterアカウント
https://twitter.com/kromizame
Contents
「ロストフレンド」の基本情報
■ジャンル■
罪悪感にもがき苦しむ少年が『和解』に至るまでのノベルゲーム
- プレイ時間/約1時間
- エンディング/2(+クリア後に追加エピソードあり)
■キーワード■
友情・学生・イジメ・和解・双子・後悔・罪悪感
■オススメポイント■
- 環境が原因で崩壊した友情をベースにした胸が締め付けられるストーリー
- 得意不得意手に関する強いメッセージ性
- 『僕は猫になりたい。』で多くのプレイヤーが気になったであろう露ノ木汐音&小鳥遊碧人のその後
- 過去作に関する小ネタや、新たな驚きが多数練り込まれている
■ストーリー性について■
過去、友人の汐音を見捨ててしまった自己嫌悪で苦しむ少年・碧人が主人公の物語。
妹や彼女の周辺人物の助けを得ながら、汐音に謝る計画を立てられるが……
回想などで辛い心情描写・イジメシーンがあり、心が締めつけられるが、ラストの汐音と碧人が再会する場面では、涙腺が緩むだけでなく『得意不得意手』に関するメッセージ性を感じられるストーリーとなっている。
■プレイのしやすさ■
好きなタイミングでセーブ&ロードが可能。
エンディングは、終盤で発生する選択肢にて分岐。
「ロストフレンド」ここが面白い!
受身な状態で達成されそうになる「和解」の賛否と答え

主人公・小鳥遊碧人(↑画像左)は、平凡な高校生
……ではなく、とある罪悪感が原因で、定期的に悪夢を見ては苦しむ日々を過ごしている心に傷を負った少年。
碧人は、過去に、イジメられている友人を見捨ててしまった過去があり、裏切ってしまった汐音に責められ、届かぬ謝罪を繰り返す夢を見続けていました。

汐音に一度でも良いから謝りたかった。
しかし、疎遠になった上に通っていた学校自体も違ってしまった。
彼との関係は、過ぎ去ったことで、自分にはどうしようもできない。
そう、解釈して心を保っていた碧人でしたが、双子の姉・翠から汐音との再会・和解を提案されることに。
(彼女がどうして碧人に対してそこまでしようとしたのかは、終盤で判明します)

今まで、姉弟故の無関心な関係だった翠の提案に驚きつつも、姉の提案に渋りがち(今更、会っても仕方ないと感じている)な碧人。
そんな、碧人にお構いなしな翠は、情報収集をするなど、話を進めていってしまいます。

翠主導で、裏切ってしまった友人と再会の場に行くことになってしまう碧人。
謝りたい気持ちと後ろめたさ・本来の性格から来る葛藤。
このまま翠に頼って縋り続けるべきか?
自らで解決するべきか?
土壇場で、選択を求められる碧人。
どちらが『彼にとって』最善なのか?
双方の展開を見て、ご判断ください。
一方的に見えてしっかり繋がっている双子の関係

本作のヒロイン的存在・翠。
元々、翠と碧人は、ある時期を機に殆どコミュニケーションをとっていない関係でしたが、翠は、ずっと悪夢にうなされる碧人を心配しており、彼のためにと、あらゆる手助けをしてくれます。
途中からは、作戦のため、長く綺麗な髪を切ってしまうほど。

序盤~中盤では、碧人を置いてけぼりなノリで翠がグイグイと行動していますが、彼女の本心を知ると、印象が一気に変わり、双子および、家族の絆を体感できます。
強くあろうとする心を蝕む主人公の過去

碧人の回想シーンでは、イジメられている汐音を助けようとしたものの、頓挫しただけでなく、裏切ってしまった経緯が判明します。
そのため、汐音は自身を傷つける行動に走ってしまったようで。
大切な友人のためにと理不尽な目に耐え続けるが、次第に心が病み、折れてしまうまでの展開は辛い描写でありますが、見捨てたくなかったけど見捨ててしまう人間の本意が描かれており、非常に胸に刺さります。
(それを楽しんでいる人間たちの無責任な言動もセットで辛い)
汐音&碧人の関係性をより知れる過去作もあり

汐音がメインで登場する『ダークネス・ボーイフレンド』
碧人&汐音の友情崩壊に至る経緯が描かれている『僕は猫になりたい。』
をプレイすることで、より、本作が楽しめます。
特に『僕は猫になりたい。』では汐音の心情もとい、彼が碧人をどう思っていたかが判明する他、『普通に関する呪縛』についてが絶妙に描かれているため、未プレイヤーの方には是非、一緒に楽しんでいただきたい。
(普通に対するメッセージ性はダークネス・ボーイフレンドでも多々描写されています)
▼ダークネス・ボーイフレンドのレビュー記事はこちら▼

▼僕は猫になりたい。のレビュー記事はこちら▼

プレイした感想
『僕は猫になりたい。』での碧人&汐音が、周囲のせいで友情崩壊してしまった描写が悲しすぎた(更にその後の汐音関連で落ち込んだけど、ダークネス・ボーイフレンド再プレイで救われた)ので、碧人にスポットが当たった時点で嬉しかった上に、汐音との再会・選択肢によっては再び友情が紡がれるシーンでは、勝手に身内になったような気分で感動し、泣きました。
二人のその後を描いていただき、本当にありがとうございます。
お互い、ただ許す→ありがとう!ではなく、あの時こうしていれば良かったのかも・強くない自分たちはどうあるべきか?についてが語られるところは、みづしきさんのゲームならではな描写だったと思いました。
汐音が某人物の強さを語りながらも、無理に同じようになる必要は無いって話すシーン、過去作をしていると色々と込みあげてくる物がありますね。
(彼が良い方向へ変われているのが分かる場面で、個人的に凄く好き)
ラストの選択肢分岐は、一瞬、ひっかけみたいに思ったものの、碧人の性格や、終盤に至る経緯を見なおすと納得行く結果にも思え、『縋ること』に対する印象が大きく変わりました。
他人や身内に頼るのが恥ずかしい、悪だと思ってる方にはプレイして欲しいゲームです。
翠は、碧人と一時的に無干渉だったものの、よく性格を分かっているなと双子の絆を感じ、ニヤけてしまいました。
序盤、半強制的に汐音と再会させようとした部分に関しては、理解者だからこそだったのかと。
イジメグループたちの会話、もう完全に暇潰しやゲーム感覚でしたね。
彼らに心なんて無いのは過去作で把握済みでしたが、ダークネス・ボーイフレンドで某冤罪食らったユガミに数秒でも同情したのが間違いだったよ!!
更に、先生側もアレなので、最悪の組み合わせという……
こういう場合は、ある意味転校するなど、離れるのがベストなのかもしれないですね。
あと、シルエット状態で登場した某さん、過去作で活躍済み故のオーラが溢れててツボりました。プリキュ●で言うと、初代のブラック&ホワイト的な。
絶対に強い……!!!!(本当に強い)
プレイはこちらから
■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※
ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/23454
ノベルゲームコレクション
https://novelgame.jp/games/show/3630
■製作者さまのホームページ■
みづしきさまの運営サイト
http://amanomiz.blog.fc2.com/
Twitterアカウント
https://twitter.com/kromizame
※以下、ネタバレ・過去作ネタバレ前提の話をしています※
ネタバレありの雑談
碧人が自ら汐音に謝ろうとした選択、一見、自分でしようとしたのに、あの結末は……とクリア直後は思ったものの、会話がスムーズに行くような土台があるかないかだと、ああなってしまうし、そもそも碧人が自己解決しがち&人に頼るのは悪みたいな性格だからこその結果だと思うと、TRUEにあった縋る勇気は、情けなくないし、大切な行為だと感じました。
イジメられて辛い時だけでなく、様々な面でもこれって大切ですよね。
改めて、汐音が出てるゲームシリーズは、学生時代・色々拗らせてた時期に出会いたかった……
翠がかつて碧人がイジメられているのを何もできなかった件は、同じ屋根の下に住む故の関係や他の要因(ヒロェ……)が絡まってなのがリアルでしたね。
趣味のコミケ代を犠牲にしてでも碧人を汐音の元に連れていく姿は健気で気づいたら魅了されていました。
学生時代に貯めたコミケ代って簡単に手放せない物やぞ……!!
あと、2週目の時に気づいたんですが、冒頭シーンの一枚絵、髪の毛を切った翠だったんですね。
小鳥遊家の父母は、少し母親の台詞があったくらいでしたが、碧人&翠の家庭環境を見る限り、本当に碧人のイジメには気づいていなかった説?(碧人が必死に隠したから?)
仮に、両親が気づいてもあの学校は教師が無能極まりないので解決が難しかった可能性もありますが、気になる……
少なくとも、露ノ木家よりはずっと良い所だとは思う。
ヒロ、自分から動いて告白したのに翠にフラれて悲しい…と同情したら、翠が碧人との接し方に迷うようになった一因だった件と、翠にフラれた途端に碧人と関わらなくなったのを見たら「お前…そういうところやぞ」になってしまったり。
碧人が言うように、当人に悪気はなかった・避けるようになったのは気まずくなっただけかもですがね。
ちゃんと自分から行動した・翠のコミケ付き合いも嫌がってなかったし、碧人へ嫌がらせはしてないから、悪人ではないと………思いたい。
そう思うと、某ハーレムホルン野郎ラノベを読んだヒロが読破早い&感想が「主人公がスカしててモテてムカつく」のみなのは、にわかオタクのフラグだった可能性…!?
(適当に読んだ・メジャーな酷評を真に受けてそれを感想として言った)
(そして、こっそりラノベデビューしているカイくん)
そういえば、こっそり、学生時代の桜谷さん(サディストに登場したキャラ)が出て来たのに驚き&喜びました。
か、可愛い…!!!!こんな良い子をみn…は…と全く出ても無い某キャラへの怒りを募らせるのであった。
交流関係的に、いつか碧人と再会して良い感じになって欲しいと勝手に妄想している次第です。