10円玉3枚しかない主人公VS開かずの公衆電話の結末が衝撃すぎた
「……俺は、なぜこんなところにいるのだろう?」
主人公・佐藤直樹は、飲み会で飲酒し記憶が途切れる。
意識が戻ると、見知らぬ場所にある公衆電話ボックスに閉じ込められていた。
連絡手段のスマホは紛失、周囲に建物はなく、人の気配も無し。
自分がどこのいるのかすら分からない。
……彼に残されたのは、3枚の10円玉。
佐藤は10円玉を使い、公衆電話のボタンに指をあてる。
家族・友人・警察……誰に頼れば助けてくれるか必死に考えながら。
■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※
ノベルゲームコレクション
https://novelgame.jp/games/show/1059
■製作者さまのホームページ■
Twitterアカウント(加藤 匠さま)
https://twitter.com/morisoba0121
Contents
「公衆電話」の基本情報
■ジャンル■
30円(10円玉×3枚)で公衆電話ボックスから脱出するノベルゲーム
- プレイ時間/約1時間
- エンディング/20?(管理人が見た数)
■キーワード■
公衆電話・脱出・10円玉・謎が謎を呼ぶ・家族・友人・隠し要素多数・試される交流関係
■オススメポイント■
- 公衆電話ボックスに閉じ込められ死が直前(?)な主人公がたった30円で脱出する斬新なコンセプト
- 番号を入れていく毎に新しい電話番号・ヒントが手に入り、少しずつ真実に近づく流れ
- 言葉の力を感じずにはいられない、選択肢とその結末
■ストーリー性について■
記憶が曖昧な主人公が公衆電話ボックスに閉じこめられ、手持ちの30円で脱出する話。
最高3回(しかも会話は短時間のみ)しか話せない中で、相手をどう説得するか?なハラハラ感と、電話番号を入れていくにつれ、新たなヒントが解明していく要素が非常に魅力的。結末はぼかされており、色々な説を考察できる。
■プレイのしやすさ■
セーブ機能は無く、1週(10円玉を3回使用)=約5分前後。
電話番号の入力と選択肢でストーリーが進行していく。
番号は自分で入力するため、メモが取れる環境でのプレイがオススメ。
「公衆電話」ここが面白い!
積み不可避な状態で開始されるストーリー

気づいたら公衆電話ボックスに閉じ込められた主人公。
ドアは開かず、人通り皆無。外は闇に包まれ、スマホは紛失。
着実に失っていく体力。
脱出のために使えるアイテムは『10円玉3枚』のみ。
本作では、そんな絶望的状況に陥っている主人公・佐藤直樹を脱出させるのが目的となります。

佐藤ができる行動は公衆電話からの通話だけ。
(画面のボタンを押し、実際に電話番号を入れ込む形式)
しかも、10円×3枚なので短時間しか相手とコミュニケーションがとれません。
更に、現実世界なら一発クリアできそうな警察に頼っても現在地が分からず(公衆電話の周囲が真っ暗で目印になる物が無い)で詳細を伝えられず積み。

友人たちに頼るも、無視をされたり、金銭をせびられたりと散々な結果で積み。
(佐藤、一体どんな友人関係を築いてたんだ!?を感じずにはいられない展開の連続は必見です)

佐藤を閉じ込めた犯人が誰か気になる以上に、積み(=死)だらけの中に、脱出に繋がる電話番号はあるのか!?と不安に陥っていくのが滾りポイントです。
(※物凄く運がよければ一発クリアも可能)
電話する度に判明する主人公の事情が底なしの闇

家族、友人と様々な人間をあてにして電話をしていく佐藤。
相手から予想外な対応をされる中で佐藤自身の隠れた背景事情がどんどん判明してく点も本作の魅力です。
負うべき責任から逃げた過去、友情よりも自身の都合を優先した過去。
たくさんの物を犠牲にして得た現在。
彼は決して犯罪者では無い。
しかし、窮地に陥った時、相手がわが身を投げ捨て助けに来てくれるに値する人物なのか?
佐藤の人格面は物語を彩らせる大きな要因となっています。
プレイした感想
電話番号の直接入力が必須故にメモを取りながら分岐のメモをするという、初代(スーファミ版)かまいたちの夜をプレイしている気分になりました。
隠し要素もかなりあるため、とても濃厚な1時間を過ごせるゲームです。
たった30円しかない絶望感は、便利な携帯ツールが多々あるからこその恐怖ですね。
(しかも、公衆電話での10円は約1分……)
更に現在地が不明かつ目印がないという要素も併せて絶望。
自分が佐藤の立場だったら短時間で発狂しそうだなと思わずにはいられませんでした。
ほぼ黒色なゲーム画面、実際にプレイするとじわじわ怖くなるのも好き。
佐藤に関する事情・家族/友人関係も、非常に面白かったです。
彼に似た人は一定数いそうだし、決して非人道的な男ではないものの、確かにこれは助けにきてくれる人いないよなあ(シチュエーションも合わさって)と感じてしまう絶妙さよ。
特に家族からしたら、こういう時だけ頼るのかよな心情になりそう…
だからこそ、途中からの展開は胸熱でした!
また、ストーリーを通して、言葉の強さと影響力についても考えさせられたり。
一言だけで相手の人生が大きく変わるのは現実世界でもありそうなので。
だからこそ、公衆電話が舞台だったのかもしれません。
※以下、ネタバレありの感想があるのでご注意※
ネタバレありの雑談(黒幕についてなど)
自力で見れたエンディングは、脱出/失敗含め20個でした。
(不通/使われてない番号扱い・天気予報などの1度きり系は除く)
- 警察×2
- 救急
- 家族×3
- 田中×2
- 海老原×2
→海老原の言い分は、分からなくもないが、急に大金を貸すリスクを考えると佐藤だけに非があるとは思えないと感じたため、ちょっともやもや - 福田×2
- 自分のスマホ
→謎の女性は佐藤姉と予想 - 病院
- まんぷく亭×3
→救出された後、「お姉さんと一緒でしたよね?」的な台詞言われた瞬間、リアル寒気が来ました - 不幸の大断片
→自分をつねったら痛くない=夢→閉じ込められたまま現実逃避エンドな意味で不幸? - イイコトできる4545×2
→うん…4545なシチュなんて来ないと思ってたよ…(真顔)
→電話の内容的に主人公と同じ状態の人が複数いる説?
好きなエンドは、まんぷく亭関連ですね。
偽善で助かったり、自分の為に店長を傷つけて閉店に追い込んだり(足湯回転寿司、個人的には行ってみたい…)、黒幕=姉の可能性を見せてくれたりと色々な結末があって面白かったです。
そして、店長さんのお酒に関するコメントが泣ける…
あと、言葉の大きさが分かる、田中エンドと警察エンドも好きです。
田中エンドは真相を知ると例の無言が切なすぎて。
(どちらも脱出成功ルートで涙腺が緩んだ)
家族関係は良好な関係であるはずの親に対して『あたりまえ』な態度をとり甘えてしまったリアルさが胸に刺さりました。
過去で両親にお礼を言えた部分を考慮すると、佐藤は電話ボックスに閉じ込められて良かったのかも?
結末については、以下の2つのいずれかが正史という印象でした。
- 佐藤は病院で意識が無い状態だった=意識不明状態が公衆電話に閉じ込められてたシチュエーションと連結してた
(夢の中で過去の自分と向き合いつつ、公衆電話から抜け出すと同時に意識が戻ったオチ) - 姉が黒幕=親の介護を押しつけ、迷惑ばかりかけてきた弟への復讐
(本編少し前に酔った佐藤を迎えに行き、介抱→弟に暴言をぶつけられ我慢の限界に達し、閉じ込めた?)
(ただ、佐藤のスマホへ電話した際の通話的に突発的な犯行には思えない点も…)
佐藤への恨み・動機を考えると姉黒幕パターンが一番現実的かなと思います。
ただ、実家に電話(not過去)した時にお姉さんが普通に電話に出た件が気になったり……
(お姉さんが演技してた可能性もありそうですが)
4545の相手の会話とかを考えると、夢オチ+黒幕姉だったのかなとも。
もし、夢オチなら、無意識に姉に罪悪感(あるけど何かしようとは思って無いやつ)があったから故の展開とか?
友人関係も心のどこかに思う所があったからこそ、登場した可能性……
お姉さんとの直接的な対峙はぼかされていましたが、ぼかされたからこそ、色々妄想できるのが絶妙だなと、私的にはとてもツボポイントだったりします。
いつかお姉さん視点の話をやってみたい…
(フラストレーションが溜まる実家暮らしエピ+弟を閉じ込めるか否かで分岐とか)
プレイはこちらから
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※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※
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