脱出・謎解き・探索(ブラウザ)

サンタ・ルチアの愚行|善意で嘘を重ね続けた彼女は優しく狂っていく

穏やかな孤児院で子供が定期的に消える本当の理由

外の世界には、悪魔が住んでいます。
優しい人を食い物にし、傷つけ、汚す罪人ばかりいるのです。

……だから、家族の幸せを守るため、私はをつき続けましょう。
この楽園に居続けることが、幸せなのですから。

そう信じる”彼女”は偽りを重ね、楽園を維持していく。
時には『強引な手段』をしながら。

 

※ご注意※
本ゲームは、過激な表現が含まれています。

 

リンク

■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※

RPGアツマール
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm14379

■製作者さまのホームページ■

豆丸さまの運営サイト
https://mamemaru092.wixsite.com/mamemaru09
Twitterアカウント
https://twitter.com/mamemaru09



「サンタ・ルチアの愚行」の基本情報

■ジャンル■
穏やかな孤児院で起こる、優しい嘘とその結末を見届ける探索ゲーム
※ホラー要素および一部、過激な描写あり

  • プレイ時間/約40分
  • エンディング/1

 

■キーワード■
孤児院・親子・母・子供・嘘・ホラー・善意の度合い

■オススメポイント■

  • 家族を守るため、優しい嘘をつき続ける母子の悲しくも狂気に満ちあふれた世界観
  • キャラクターの事情を知れば知る度に気が滅入る鬱要素
  • 答えが無く、考えさせられる結末

 

■ストーリー性について■

とある母子が営む孤児院で『子供が消える』話。
登場人物全員が泥沼レベルの訳ありで、鬱要素が多め。
序盤の小さな不穏感がゲーム進行に比例し大きくなっていくホラー感と、『嘘』に関して考えさせられるシナリオが魅力。

■プレイのしやすさ■

タップで移動するタイプの探索ゲームで即死要素は無し。
セーブは好きな時に行える仕様。
登場人物の背景を知れるアイテムはシナリオに集中してると見落としがちなので2週目でコンプするのを推奨。

 

「サンタ・ルチアの愚行」ここが面白い!

楽園内に舞う『嘘』が優しくて悲しく、鬼畜

舞台は、ジータと娘のルチアが営む孤児院。
住んでいる子供たちは、家族に恵まれなかったり、病気を患い日常生活に支障があったりなど全員が暗い事情持ち

しかし、母子の優しさと明るさのお陰か、子供たちは毎日、楽園にいるかの如く、幸せに暮らしていました。

 

しかし、そんな孤児院には裏の顔が……

序盤では、家族に手紙を出し続けている少年・エンツォ(ある理由で両親と妹と暮らせない)にジータとルチアがある行動をしているのが発覚。

 

定期的に家族から手紙の返事を貰えて喜ぶエンツォでしたが、何度か読んでいく内に違和感を感じていきます。

その正体とは……

最初に味わえる小さな不穏が、雪だるま形式で、どんどん大きくなっていくシナリオはプレイヤーに至高の恐怖を与えてくれます。

 

広がっていく疑心暗鬼の先は狂気?愛?

一部の子供は、時間の経過と共に心の片隅にある違和感を増していき、次第にジータの方針に疑心を抱きはじめていきます。

そして、疑惑を解消しようと行動に起こした先で、孤児院の事実を知ってしまうことに。
(勝手に外に出ないよう、玄関に即死トラップが付けられているなど)

 

また、序盤で嘘の手紙疑惑に悩むエンツォ以外の子供も『何か』をジータとルチアに隠されているようで。

ジータとルチアが秘密を隠し続ける理由は何なのか?
真実と、偽りだらけの優しさを知ってしまった子供たちはどうなってしまうのか?

ぜひ、「誰かを守るための優しい嘘は必要なのか?」を頭に入れながらゲームを進めてみてください。

 

ゲーム中で拾える『記憶の欠片』に綴られている残酷な現実

作中では、登場人物たちの背景事情を知ることができるアイテムを拾えることがあります。

それぞれ、誰のかは特定されていないものの、内容で察せるので推理しながら集めてみましょう。

各人物たちの苦しい叫びや幸せに縋る心情を綴った文章は心にかなり喰い込むのでコンプリート推奨!
(シナリオが進行すると回収ができなくなるのがネック。2週目で意識して探すのが良いかもです)



プレイした感想

序盤のエンツォの手紙の件で「まさか…」と思ったらブレーキ無しで、どんどん穏やかな雰囲気が黒ずんでいくところが非常に面白かったです。

ジータとルチアがやっていたことについても、後半でどんでん返し的な部分があり、終始、衝撃を体感しながらプレイできたのも好きです。
(予想がつく部分と、裏切られる部分が程良くミックスされてる故に)

また、本作中で大きなキーワードになっているであろう『嘘』については、あらゆる部分と繋がっていて、嘘をつくことの可否や、人が誰かに善意や慈しみを与えることについて物凄く考えられました。
(特に、優しい嘘は、時には必要なのかもと思いつつ、過剰にやりすぎると良くないけど度合いって人それぞれだから、分からんよね的な)

2週目の周回特典はありませんが、最初の方で見れるルチアの某人物への台詞がネタバレ部分を知っているか否かで感じ方が違うので、記憶アイテムコンプリートしつつ、注目して欲しい部分だったり。
私はそこのシーン見て、ゾッとさせていただきました。
やっぱりルチアの愛情は闇深だった……!!

プレイはこちらから

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■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※

RPGアツマール
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm14379

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https://mamemaru092.wixsite.com/mamemaru09
Twitterアカウント
https://twitter.com/mamemaru09

 

※以下、ネタバレありな内容が書かれています※

 

ネタバレありの雑談

 

ある意味、ジータも(ルチアの)優しい嘘の被害者だった……

現実から守るために優しい嘘を重ね続けたジータ&ルチアの凶行を知った先の、エンツォがルチアとイーヴォに優しい嘘をついて…な流れがどツボでゲームクリア後、暫く余韻として脳内を反芻しておりました。

彼のついた嘘は正しかったのか?が明示されないまま物語が締め括られたところがたまらなく大好きでこのゲームの最大の見所かつ考え所なのではと感じました。

エンツォがルチアを見捨てられなかった(偽りを口にした)のは、家族に不必要とされ続けた故の選択なのかも。

結果的に、ルチアは絶望せずに生涯を終え、イーヴォは生きる気力を取り戻して妹(亡くなっているので永遠に会えない)を探す本来の目的に精を出す…と、一見、綺麗な終わり方ですが、後者は何らかの形で真実を知った際、新たな悲劇にもなりそうだなと。

そんな優しい嘘をつき、心中に闇を抱えたエンツォが今度、どんな人生を歩んでいくのかが非常に気になります。
(自分だけで生きていくのか、自分を愛していない家族の元にあえて戻るのか?)

あと、イーヴォのその後もかなり見たい……!!
ハッピーエンドとは程遠いオチになりそうだけど。

ジータとルチアの過去は、ジータ旦那が村全体に悪影響を及ぼすレベルの病気を持ってきてしまって、ああなってしまったのかな?と感じました。
で、ジータは配偶者だからという意味で、やつあたり的なアレコレをされたと。
(余程、ヤバい病気を持ってきてしまったのか、村の民度がクソだったのか?)

各キャラクターの背景事情が分かる『記憶(追憶)』は、全員が悲惨で、知ればその分、鬱になる仕様で好きです。

アンネッタとモニカはテキスト表現でも相当エグかった……
この世界は全体的に混沌としているのかもしれない。

そして、両親からあんな目に遭ったのに、自身の気持ちを実質踏みにじったルチアに優しくできたり変にかまってちゃん拗らせなかったエンツォはある意味凄い。
(あと、モニカの巨乳って決して、属性ではなく、発育が良いから例の仕事では評判だったんだろうなあ…と感じたら、とてつもなく落ち込みました)