溶けたくない雪だるまの切ない逃走劇


優しい少年に作られた 雪だるま・クリスは、幸せな日々を過ごす最中、カラスに春になると自分が溶けてしまう残酷な事実を聞かされる。
(ぼくは……とけたくない)
絶望したクリスは、かつて少年が口にしていた『楽園』の存在を思い出し旅に出る事を決意する。
消えたくない一心で旅を始めたクリスは、様々な経験をする内に葛藤をはじめる。
楽園は本当にあるのだろうか?
着いたとして、幸せになれるのだろうか?
……自分がいなくなった後、少年はどうしているのだろうか?
Contents
「スノーマン・ストーリー」の基本情報
■ジャンル■
雪だるまたちの短い生涯を描く悲しくも暖かいADV
プレイ時間/約2~3時間
(パズルパートのやり込みによって前後あり)
■キーワード■
雪だるま・友情・親子愛・動物・パズル・ゴリラは強い(確信)
■オススメポイント■
- 暖かくなれば溶けるのが当たり前な雪だるまたちへの感覚が変わる、切ないストーリー
- 多彩なキャラクター&美しいドット・BGMが織りなす世界観
- 悲しいながらも、雪が積もり消えていくような綺麗な結末
- 本編で生じた悲しみ部分を救済してくれる最高の追加シナリオ
■ストーリー性について■
春が来ることによって自分が溶けてしまう事実を知った雪だるまのクリスが、北にある『楽園(自分が溶けずにいられる場所)』を目指す話。
所々で動物たちと話ながら色々な知識を得ていくファンタジー部分もたくさんあり、非日常的なストーリーを楽しめる。
■プレイのしやすさ■
ストーリーメインとなっているため、移動部分は少なめかつ簡単。
パズルパートは、ヒント・スキップ機能があるため、シナリオに集中したい方・パズルも楽しみたい方、どちらにも優しい仕様。
■課金要素■
本編に課金要素は無し。
(課金で広告削除可能)
本編後の救いとなる追加エピソード・物語をより楽しめるエクストラコンテンツが課金要素としてあり。
「スノーマン・ストーリー」ここが面白い!
「終わり」が確約された雪だるまの旅が健気ながらも悲しい

主人公は、少年に愛情をこめて作られた雪だるまのクリス。
少年から帽子やマフラーを被せてもらったり、色々なことを話しかけられたりと、幸せな日々を送るクリスでしたが、ある日、カラスから残酷な事実を告げられてしまいます。
―……雪だるまは、春になると溶けてしまう、と。
消えたくないクリスは絶望する中で、かつて少年が話していた『楽園』の存在を思い出し、探すことに。
そこに行けば、自分はずっとこのままでいられると信じて。

残された短い時間の中で、動物たちと交流をしたり、人助けをしたり、他の人間の話を聞いたり…
様々な経験をしながら楽園を探すクリスの辿り着く先はどこなのか?

クリスに残された時間や、雪だるまの特性を考えると『終わり』が確定している部分と、クリスに置いていかれた少年の心情を考えると、序盤から何とも言えない気持ちに。
(応援したいけど、悲しいオチが待っている予感)
ある意味、最初からクライマックスなゲームをプレイしたい方には胸にくるものがあると思います。
遺品回収からの『他の雪だるまたちの人生』が考えさせられる

旅の途中でクリスは、遺品に触れることで『他の雪だるまたちの人生』を見る力を手に入れられます。
(クリス以外の雪だるまたちも、様々な事情で作り主の元を離れて森で朽ちていった)
雪だるまたちは、クリス同様に人間に愛されていた者もいれば、ただただ道具として扱われていた者、憎しみや不条理を抱きながら溶けていった者まで千差万別。
短い時間しか生きられない雪だるまの抱く想いはもちろんのこと、人間の優しさと身勝手さを同時に味わえるシナリオとなっています。
(自分に思い当たる節がないか考えながらプレイすると、時には精神的ダメージを受けるかも?)
ある意味、本番!?追加ストーリーはやる価値大ありです!
クリア後には、結末に涙したクリスたち・ユーザーを驚かせてくれる追加ストーリーを搭載。
(ネタバレ防止のため、キャプチャは割愛しますが綺麗な追加ストーリー内でしか見られない美麗グラフィックも多数あります)
約30分のストーリーは、様々なキャラクターが登場し、笑いあり涙ありでラストは本当に春が来たような気持ちになるかもしれません。
(課金無しでプレイ可能ですが、時間がかかる上、本編の余韻を抱きながら追加ストーリーを体感して欲しい故、個人的に課金を推奨)
更に、過去作のくまのレストランをクリア済みの方は、にやけが止まらないおまけコンテンツもあるので、こちらも是非、プレイしてみてください。
スキップしても、やりこんでも自由!フリーダムなパズルパート

クリスの旅の途中には、氷の上を滑るパズルパートが複数待ちかまえています。
最初はかなり簡単なものの、途中からどんどんやり応えが増していき、パズル好きのハートを熱くさせてくれることも!
こちらは、ヒント機能および、スキップ機能(パズルが苦手な方はやらないで進行できる超優しい機能です)があるため、ユーザー側の好きな感覚で楽しめます。
※ノーヒントでクリアすると嬉しい特典あり
プレイした感想(少しネタバレあり)
雪だるまは、数日経つと溶ける物…という淡々とした感覚の自分を責めたくなるくらい、雪だるまに対して感情移入できるゲームでした。
途中での会話や、他の雪だるまたちの心情、動物キャラやあの人の言動もあわせて、優しくなれるファンタジー系だなと。
途中で「もしかして…」と思いながらも、必死に楽園を目指すクリスの姿はぜひ、プレイして見て欲しいです。
キャラクターは、全員濃厚で、癒されたり、笑わせて貰ったり、救われたりしました。
本編の結末は切なかったけれど、クリスにとっては新しい世界を見れた意味では旅に出て良かったのかも?と個人的には思いたいところ。
推しはゴリラたちと、白クマ親子です。
(ゴリラ推しは、ゴールドスポンサーになると凄く嬉しい特典がありますよ!とこっそりステマ。あと、ゴールドスポンサーになると、くまのレストランに●●が行くシナリオがあるのでこちらもオススメ!かなり笑えてほっこりします)
雪だるまたちは、最初こそ、優しいストーリー多めでしたが、途中からは胸が痛くなる物もあり、人間は良くも悪くも色々な類があるのだと、感じずにはいられません。
ビジュアルは、温泉マスコット雪だるまがイチオシで、芸術家の雪だるま&病弱少女の雪だるまで泣き、怪獣雪だるまで鬱になりました。
終盤で正体が分かる”あの人”に関しては、追加ストーリーで衝撃のイケメンっぷりを披露しつつ、名台詞を多々話してくれるので、本編で気にいったらもっと好きになると思います。
苦労人で面倒見が良くてかっこよすぎる!!!
そういえば、カラスだけは終始、毒のある子でしたが、物語のスパイスになっていたので私は好きだったりします。
過去作に登場した、小鳥ちゃんとは別の系統の毒舌系…
もし、過去作コラボがあったら、カラスと小鳥ちゃんの会話めちゃくちゃ見たいファンです。
パズルは最初数個はクリアできたものの、途中から難しくなっていくつかスキップしてしまったのが後悔ポイント。
私みたいにパズル解くのに時間がかかるユーザー向けの救済処置は本当にありがたかったです。
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