ノベルゲーム(ブラウザ)

SO SAD|人間が機械に抱く感情はこの程度なのかもしれない

希望を現実で粉々にしてくれる無慈悲な日常ゲーム

まさか はんにんの くるまが
あんなスピードで ついとつしてくるなんて おもわなかった……

職務中、大切な片割れが『にんげん』の起こした事故でXXしてしまった警察ロボットのソウは、ある提案を思いつく。
……自分たちが『ロボット』だからこそ、可能なことを。

「ぼく しょちょうにさ XXXXを たのんでみるよ」

 

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※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※

ノベルゲームコレクション
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「SO SAD」の基本情報

■ジャンル■
人間とロボットがそれぞれ抱く『常識』を思い知らされるノベルゲーム

  • プレイ時間/約30分
  • エンディング/1

 

■キーワード■
警察・事件・闇が深すぎる・ロボット・人間・思考の乖離・鬱・未来に起こるかもしれない日常

■オススメポイント■

  • 相棒を亡くしたロボット視点の『悲しい』ストーリー
  • しかし、人間側からしたら『日常』で『当たり前』な話
  • 皮肉な設定をじっくり練り込んだ背景画像やキャラクターの台詞たち

 

■ストーリー性について■

舞台は警察署。人間の起こした事故で、片割れが『仕事ができない状態』にされた双子型のポリスマンロボットのソウが人間(所長)に修理を依頼しにいく話。
冒頭および、途中の同僚との会話や雰囲気からオチが察せても実際に結末を目に入れると形容し難い重い感情が胸に圧し掛かってくるのが他ゲーには無い魅力であり超絶鬱ポイント。

■プレイのしやすさ■

好きなタイミングでセーブ&ロードが可能。
エンディング分岐や即死トラップはないので、マイペースに進行できる。

 

「SO SAD」ここが面白い!

本作は、警察で働いている、双子型ロボット・ソウが主人公。
彼は、人間の起こした事故に巻き込まれてしまった相方のリツ(ロボット)を修理して貰うため、所長(人間)の元へ行くストーリーとなっています。

 

所長を探す最中、同僚のロボットたちから情報収集をしつつ、仕事を手伝う姿から、ソウのプログラムで構成されているとは思えない面倒見の良さが伺え、本ゲーム内におけるロボット技術の凄まじさを伺えます。
(また、話をしたり手伝いをすることで、ゲーム内の警察事情を知ることもできます)

何人かの同僚と話していき、所長と対峙した時、ソウはどう頼むのか。
そして、所長はソウの願いに対して、どんな言葉をかけるのか?

時には理不尽な目に遭わせてくる人間を恨むことなく、命令を律義に守り職務を全うしたロボットに慈悲はあるか?

もし、途中で結末に『察し』がついてしまっても、ぜひ最後までプレイしてみてください。
当たり前の現実を、一切の着色無しに知ることができますので……

 

時代がロボットにかける情をじわじわと教えてくれるテキスト

当たり前の事実を教えてくれるストーリーの他に、注目して欲しいのは、なんといっても、ソウが所長を探す間に同僚ロボットたちから聞ける会話と、背景画像。

「人間には普通にされるけれど、ロボットにはされないこと」
ポスターや書類に淡々と書かれているあれこれは、さりげない故に気づくと心にとてつもなく深く食い込んできます。

また、同僚たちに関しては、ソウの願い(所長を探している理由)を聞いた際の反応が結末と上手くリンクしているので、こちらにも視線を注いで欲しいところ。

 



プレイした感想

冒頭の会話でオチはある程度、想像がついたのですが実際に所長が『答え』を口にするシーンおよび、ソウの反応を見たら予想を絶するほど、胸が痛むあまり、真顔になってのクリアでした。
罵倒するわけでもなく、常識を言うかのように告げるのがもう……
(別に所長はモラハラしてたり、酷いことを言ってる訳じゃなくて当たり前のことを返してるだけにすぎないやつ)

同僚たちの会話で、破棄される子のエピソードがありましたが、『LAST.』の某人物みたいに、ロボットに深い情を与えてる人の方が少ない世界なのかもしれませんね…
(そう思うと『LAST.』の結末が更に辛くなる)
それくらい、この世界ではロボットが普及してて、労働力になってる的な。
現実世界でもいつか、似たようなことになるのかなと感じると何とも言えない気持ちになります。

過去作である『LAST.』『re.』と今作をプレイして思ったのは、「悲しい」と感じつつも「じゃあ、自分が人間の立場だったらそれわざわざする?」と聞かれるとイエスと言えない皮肉感が自然と芽生えてくるのが本当エグて最高だなという気持ちであったり。
(家電とかでも、修理するより新しいの買った方が断然得なので、似た意味だと勝手に思ってます)

ネタバレかもしれない雑談

 

 

所長の『当たり前の反応』で、リクへの未練と自らの想いを『間違い』と判断し、受け入れてしまったソウと、クリア後に変わるスタート画面が物凄く印象に残りました。
(作中で触れられていた、無くしたクリップの話も回収されていて嬉しい反面泣く)
(クリア後のタイトルがSOSにも見え、ソウの無意識の救難信号にも見えたり…)
あの後、通常通りにリクは修理されることなく終わってしまったんでしょうね。辛い。

同僚たちは、ソウの頼みに所長がなんて答えるかを分かってたのかな…と感じました。
全員、なんとも言えない反応だったり、ゴロに至っては「みかただからな」と改めて言ってましたし…
(ゴロは最悪、ソウの立場が悪くなるのを予期してたのかも?)

 

そういえば、主人公・ソウと、途中で出てくる植木鉢を修理してた(花を育てようとした)アルが、雰囲気的に『LAST.』に登場した警官たち?と思って再プレイしてみたのですが、アルはLAST.に出て来た片割れさんでした。
(※2019.12.20 21時頃に、上記部分を修正しました。紛らわしい間違えを書いてしまい、失礼しました)

LAST.プレイ時は胸元のアレがロボットの識別だと気づかなかったので「彼らもロボットだったのか…」という新たな発見が。
(IDの一番最初がPとHに別れているのも本作を通じての初発見だったり)

あと、作中のポスターに『LAST.』で見たような気がする毒薬らしき物があって、良い意味の寒気がしました。

 

プレイはこちらから

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