多くを救うために、彼女は非情な決断を笑顔で下す

戦争・飢餓・疫病で毎日たくさんの人が亡くなっている国の中で、穏やかな日々を送っている平和な村がありました。
村全体は奪われることや、飢えることに怯えず笑顔で溢れかえっていました。
もちろん、美味しいご飯も食べられます。
そんな彼らを見守る村長のピエラは愛する家族と一緒に、身を削り、奮闘します。
…………いつまでも、素敵な一日が送れるように。
※ご注意※
本ゲームは、かなり過激な表現が含まれています。
■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※
RPGアツマール
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm14380
■製作者さまのホームページ■
豆丸さまの運営サイト
https://mamemaru092.wixsite.com/mamemaru09
Twitterアカウント
https://twitter.com/mamemaru09
Contents
「サンタ・ピエラの平和な世界」の基本情報
■ジャンル■
穏やかで平和な村の日常を見届けるメンタル削られ探索ゲーム
※ホラー要素および、過激な描写あり
- プレイ時間/約40分
- エンディング/2
■キーワード■
村・平和・食糧・家族・笑顔・家畜・狂気・ホラー
■オススメポイント■
- ヤバいと一言で評してはいけない、『平和に満ちあふれた村』の裏側
- 大を守るために小を犠牲にする意味を考えさせられるストーリー
- 狂気の中に散りばめられている愛情のミックス感
- どう動いても絶望が過る結末
■ストーリー性について■
とある『幸せな村』を舞台にしたゲーム。
開始数分で隠された闇を知り、こちらが何もできぬまま狂気の結末を見ることに。
途中からかなりショッキングな描写があるものの、『全体を守るために不要な一人を犠牲にする』が残酷なまでに徹底されているシナリオは考えさせられ、胸に深く刺さる。
■プレイのしやすさ■
タップで移動する探索ゲームで即死要素は無し。
セーブは好きな時に行える仕様。
最初は99%が通常エンドに行ってしまうが、クリア後にもう片方のエンドが見れるヒントあり。
「サンタ・ピエラの平和な世界」ここが面白い!
開始約5分で分かる平和な村の裏側がヤバいを凌駕している件

本作は、戦争による飢餓や疫病が原因で普通の生活すらままならない国の中に存在している『村人たちが笑顔で暮らしている村』が舞台の平和なストーリーとなっています。
村には、小さい子供たちを女手一つで育てている母親や、弟から暴力を受けている女性、力を持たぬ老夫婦、親を亡くした少女など、様々な事情を抱えた人がいるものの、ほぼ全員が村を絶賛し、村長を神のように慕っています。
目が死んでる?気のせいだと思うよ

村長のピエラは、村全体がずっと素敵な一日を送り続けられるよう、常に住民に寄り添いつつ、実の子供であるモルテ&カーラにも慈愛を与えているまさに聖母的存在。
目が死んでることにはつっこんではいけない

……という穏やかな村を見届けるゲームかと思いきや
開始1分も経たず「この村もとい、ゲーム…やばいのでは…?」と真顔になり、
その約5分後で「やっぱりおかしかった(確信)」状態になることで、村の狂った裏側を垣間見えることができます。
(ドット絵だから耐えられるけど、イラストになったら、とんでもない光景がたくさん)
本当の平和について考えさせられるピエラの行動
ピエラが村を平和に存続させるためにしていたことは『無駄』を排除し、『有効活用』すること。
あるシステムを作り上げ、住人を飢餓と病気から守っていました。

ピエラは家族含め、誰かを贔屓・優遇するわけではなく、村全体の平和を維持するシステムをただただ遂行していきます。
その行動を支えるのが彼女の家族でもあり……
中盤で判明する、食料の調達元は、狂気の極みながらも、視点を変えればリアルの人間もしていること故に何とも言えない気持ちに。

平和とは何なのか?
例え、常識を逸脱した方法であろうとも、全体が幸せと評するならば、許すべきなのか?
この穏やかな時期は続くべきなのか?
様々な思考が拗れていく先に見れる2つの結末は必見です。
プレイした感想
『サンタ・ルチアの愚行』に続きクリアしました。
「うん、平和だね!!!!」とついつい、開始数分で目のハイライトが消えるパンチ力にやられます。
そして、平和って何だろう…が終始、頭に沸き続けるお話で、良い意味で脳内のもやもやが抜けません。
そして、エンディングコンプしても、そのもやもやが解決できないという深さよ……!!
重い余韻が好きな方にはとってもオススメです。
某シーンはドット絵で良かったと思いつつも、ドット絵でも十分ヤバかった…
狂気を感じつつも、人間も似たようなことしているのかも?的な皮肉も効いてて凄く好きだったり。
タイトルにあるピエラはもちろんですが、メインで操作するピエラの息子・モルテの闇深さがとんでもないです。
ステータスを意味深に感じてしまうのは自分だけではないはず。
例のステータス値は洗脳なのか、ナチュラルにおかしくなってるのか気になる……
ピエラの言動はヤバさが多く見えつつも、それを平等に実行するところにゾクゾクしました。
彼女の中で●●は絶対に××しない!という概念がないのか、自ら封じてしまったのか…
片方のエンディングを見ると後者のようにも見えますがさてはて。
あと、BGMがほぼ、ほのぼのした物が1曲なところが、ストーリーの狂気性を上げているように感じツボでした。
あの曲、暫くトラウマになりそう。
プレイはこちらから
■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※
RPGアツマール
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm14380
■製作者さまのホームページ■
豆丸さまの運営サイト
https://mamemaru092.wixsite.com/mamemaru09
Twitterアカウント
https://twitter.com/mamemaru09
※以下、ネタバレありな内容が書かれています※
ネタバレありの雑談
ピエラは元々狂っていた(or大のための小を犠牲にできるタイプ)のか、村長という立場上、おかしくなっていった(村長一家に頼り切った村全体が戦犯)のか…
旦那(モルテにとっては父親)の存在が全く無い描写は、元々いない・元村長だったなど、色々妄想できるのも面白いです。
モルテ姉は、食糧難対策および人間家畜を殖やすために犠牲になったようですね。
姉の遺品がモルテのベッドに隠されているところがもう……辛い。
モルテが本作の状態になったのは姉の犠牲がきっかけなのかも?
(当人は正常だと思いこんでいる)
怠け者と村全体から忌み嫌われていたモルテ姉の元彼くん、恋人が家畜になってる上に自身も肉にされて、それを食べた老夫婦から「固くて微妙」と酷評されて…と悲惨過ぎて泣きました。
(モルテ姉の元彼くんのお姉さんは、弟に殴られてたって言ってたけど、地雷踏み抜いたか狂った価値観押し付けてやられた説)
エンディングはどちらになっても、結局、村は病気が原因で滅びてしまうように感じました。
専門職でない家族の技術では限界あるし、あの管理方法は衛生面でよろしく無い気がするので。
そういう意味では、期間限定で犠牲を伴う平和は早く打ち切るべきか?1日でも長く続けるべきか…な難しいテーマも過り、考えさせられるシナリオでした。
あと、『サンタ・ルチアの愚行』の数少ない生き残り・エンツォがゲスト的に出て来たのがめちゃくちゃ嬉しかったです!
やっぱりイーヴォとは行動してないようで。
そして、例の肉を貰って食べているであろうエンツォの今後が物凄く怖い…次作が出た際、ぬるっと亡くなっていたり病気になってたらどうしよう……
エンツォの登場を見る限り、モルテとリベルタ(二人が生存したかもしれないEND後)もいずれ他作品でゲスト参戦しそうでこっとり熱く楽しみにしております。
リベルタの打算的なところがあるものの、結局、倫理観や情を捨てきれない性格が好きなので、もっと掘り下げや活躍を拝見したい…!!
そして、モルテがあの後、どんな人生を送ったのかも気になる。