タイトル回収の仕方がかっこよすぎる、ハードボイルド推理ゲーム


ある場所で老人が孫に、昔話をしていた。
老人が語る内容は『過去に起こった連続猟奇殺人事件』
電柱に吊る下げられた首なし死体、血で書かれたシンボルマーク。
関わっているのは、曰くのある宗教団体に被害者の暗い事情。
……因みに、『犯人』は捕まらなかったらしい。
Contents
「和階堂真の事件簿 – 処刑人の楔」の基本情報
■ジャンル■
連続殺人を追う、ハードボイルド系推理ゲーム
プレイ時間/1時間30分~2時間
■キーワード■
刑事・事件・宗教・謎解き・推理・探査・殺人・伏線・サスペンス
■オススメポイント■
- ドット×レトロ×ハードボイルドな世界観での謎解き
- シンプルな操作とは裏腹に奥深いストーリー
- 推理好きにはたまらない、衝撃的な結末に関する伏線が散りばめられたシナリオ
■ストーリー性について■
敏腕刑事・和階堂(主人公)が連続して起こっている猟奇殺人の真相を追い求めていく話。
複数の証拠を集め、推理を重ねることで霧がかる謎がどんどん明るみになっていく王道的なサスペンスシナリオと、衝撃的な締めが魅力。
■プレイのしやすさ■
人物や気になるところをタップし、証拠や情報を集めることで物語が進行する。
選択肢による即死やバッドエンド要素はなし。
途中で推理パートが入ることによって、現在の状態が把握しやすくなっている。
■課金要素■
本編に課金要素は無し。
課金は支援という形であり。
(120円・370円・980円から選択)
(支援後、広告非表示・サウンドモードが開放される)
「和階堂真の事件簿 – 処刑人の楔」ここが面白い!
孫に猟奇殺人の話を語る老人…という衝撃的な開幕

物語は、老人が過去に追っていた『連続猟奇殺人の話』を孫に語るという、ほのぼのしたBGMとはかけ離れたシチュエーションからはじまります。
(お孫さんはノリノリで聞いている模様)
舞台は1983年。
被害者は電柱に吊る下げられ、首を切断された状態。
……そのため、身元は不明。
近くには血で書かれた不吉なシンボルマークも。
そんな不気味な事件の担当刑事が、冒頭に出て来た老人こと、敏腕刑事の和階堂でした。

老人と孫の全くほのぼのしてない会話、血みどろかつ狂気的な事件現場。
プレイヤーの心を鷲掴みにしての開幕は、続きが楽しみになること間違い無しです。
集めた情報を駆使して真実を探っていくスタイル

ゲーム中では、関係者に聞きこみをしたり、怪しい場所を調べ、情報を集めていきます。
集まった情報を会話にセットし、再度、話をしていくと新たな真実を知れるなど、シンプルに見せかけてやり込み要素があるタイプ。
また、途中では選択肢も登場し、選ぶ物によって相手が警戒を解き、情報提供をしてくれることもあり。
(選択肢の正解に関するヒントは聞きこみで得られる)
プレイヤーと和階堂の手腕が試されるシーンでもあります。

物語の区切りが良いところでは、和階堂による推理タイムも。
このパートをクリアしていくことで、どこまで事件の真相を追えているかが分かるようになっています。
(プレイヤー側の理解度の確認も兼ねてる)

被害者の背景や宗教団体の事情がエグい

事件の真相を調べていく内に、首なし死体の身元もとい、被害者が判明。
亡くなった人物は、ある宗教団体と関わりがあったようで……
しかも、その団体は相当怪しいところ。
どうして被害者が曰く付きの宗教団体に縋ってしまったのか?
そして、宗教側は被害者に『何を』したのか?
分かっていく度に心が痛む、悲惨な被害者の背景事情。
ストーリーの大きい軸にもなっているので、ぜひ最後まで見届けてみてください。
プレイした感想
ハードボイルドな雰囲気に惹かれてインストールしました。
ドット×レトロな世界観、非常にツボ!!
絶妙にグロい被害者のグラフィック(白×赤の組み合わせのエグさを改めて知れた)や、後半で行ける施設の人たちのナチュラルに狂ってる感が特に刺さりました。
システムは良い意味でシンプルなものの、シナリオや結末は非常に奥深く、濃厚なサスペンス映画を観終わった気分になりました。
記憶を消してもう一度プレイしたい……!
その際には、珈琲片手に持って雰囲気を増させたい……!!
謎解き要素は最初こそ簡単なものの、途中からは証拠や関係者が増えて来たので何度かミスりました。
証拠品の説明文をちゃんと見ると証言を貰えるやつか否か分かるさりげない仕様には何度も助けられ感謝。
(文章はちゃんと読もうな!と自身への戒めにもなった)
広告は、推理ミスった時のみ表示な親切設計で、逆に申し訳なるレベル……
だからこそ、ゲームの世界観に没頭できたので、微力ですが支援してきました!
続編、超絶楽しみにしております。
ネタバレなので詳細は伏せますが、本作のラストでは事件が収束したと思ったら…な驚愕の事実が待っているのも推理ゲーム好きにはとてもたまらなかったです。
終わったと思ったら「えええ!!!???」となる感覚はぜひぜひ体感して欲しい。
あらゆる意味で、色々綺麗に回収してくれるので!
(因みに真相のヒントはよく会話文などを読めば伏線があるので、目を光らせておくのを推奨!←こんな風に書いておきながら管理人は気づかなかったorz)
インストールはこちら

製作者(スカシウマラボさま)の運営サイト
https://sukashi-uma-labo.wixsite.com/home
Twitterアカウント
https://twitter.com/WakaidoProject
※以下、ネタバレありな内容が書かれています※
ネタバレありの雑談
事件の『本当の』真相と、真は和階堂の名前じゃなくてお孫さんだった。
…の部分だけで相当ビックリしましたが、中盤で入手できるアイテムが『教祖の首飾り』って表示されたのはシステムじゃなくて、和階堂が事件を起こした張本人だからというさりげない伏線を知った時、このゲームの真骨頂を味わった気分になりました。
ずるい後付けとかではなく、よくよく見るとちゃんと答えに関わる物が含まれているのが凄い……(語彙力0)
そういえば、Twitterで本ゲームのタイトルが『双頭の悪魔』だった時もあったようで、和階堂&アイダ(共犯者的な意味で)、サタ(宗教団体)&世間や境遇(アイダにとっての悪)の2種類が頭に浮かびました。
和階堂の選択は警察の職についてる人間としては間違ってしまったのかもしれませんが、アイダ夫婦の境遇を見ると、人情ある選択だったと個人的には感じました。
もし、アイダが例の宗教にのめりこんでいなかった場合でも、周囲は彼の境遇に同情はするけれど、解決できる手段を持っていたわけではないし、担当医はお金がないなら…とビジネス的な接し方だったので、最終的には破滅してしまうと思うんですよね。
愛する奥さんを失ってアイダも後を追ってしまう的な。
結局、サタの死体は見つからなかった(殺した後、アイダとして崖から落とした)→当時、とにかく事件を片付けたい警察側が追求をせずに終わらせた感じなんですかね。
流石に死体検証したら、アイダとサタの件は判明しそうだなと思ったので。
真実を隠すために暗躍した和階堂と、アイダのサイドストーリー、妄想するとかなり面白い……!
現時点では次回作が出る予定とのことなので、真くんの活躍が見れる可能性!?と期待しております。
(真くん、おじいちゃんの所業を擁護・批判するわけでもなく、純粋に真実を追い求めるのが探偵としての素質ありすぎて好き)
因みに、支援課金後に開放されるサウンドモード、作曲者さんのコメントが見れるのですが、ある体験談や真くんへのつっこみに笑ってしまいました。
特に後者は意識すると確かにヤバいな、となる破壊力……!!!