アイコンからして幸せ感ゼロのダークADV


弟とお祭りに行った翌日、僕は見知らぬ世界に迷い込んだ。
謎の像やしゃべる動物がいる世界には弟が囚われているらしい。
親切だけど不気味な鳥やヒントをくれるスマートフォンに助けられながら謎を解いていく。
この冒険が『しあわせ』についてを問われるだなんて思いもせずに。
しあわせって何だろうね?
Contents
「しあわせのあおいとり」の基本情報
■ジャンル■
幸せってなんだろう…と哲学的な気持ちになれるADV
(幸せの青い鳥のパロディ的なダーク要素あり)
プレイ時間/約40分
■キーワード■
異世界・ファンタジー・狂気・兄弟・微ホラー・世にも奇妙な物語系
■オススメポイント■
- ファンタジー世界×じわじわと恐怖心が浸透してくるホラー感
- ドット絵が織りなす異世界と癒されBGMが真相とのギャップを大きくしてくれる
- 疑いもなく使う機能にまさかのギミックがある意外性
- プレイヤー側が発狂しそうなとんでもバッドエンディング
■ストーリー性について■
主人公が異世界(?)に迷い込んだ弟を探すストーリー。
優しいけれど奇妙な鳥や喋る動物たち、そしてヒントをくれる端末とコミュニケーションをとって話を進めて行く形式。
ファンタジーとホラーがミックスされた雰囲気が好きな人にはかなり刺さる。
■プレイのしやすさ■
謎解きとお使いをしながら話を進行していくタイプ。
ストーリー進行に関する規制はなく、マイペースに進められる。
■課金要素■
投げ銭(今後のゲーム開発にあてられる)としての課金要素あり。
お布施をするとスタッフロールに名前が表示される嬉しいオマケが付いている。
「しあわせのあおいとり」ここが面白い!
王道的にファンタジー世界へ行く皮切りからのホラー感が最高
ストーリーのはじまりは、主人公が異世界に飛ばされる前日から。
主人公の弟は出店でみつけた鳥のぬいぐるみに一目ぼれしますが、店主である、おばあさんは頑なに譲渡を拒否します。

ぬいぐるみを諦め切れない弟は『とある手段』を使って入手することに。
弟がどうやって店主を説得したのかをつゆ知らずな主人公は、ぬいぐるみと一緒に眠る弟を見て、しあわせを噛みしめながら部屋の明かりを消します。

(ぬいぐるみ、可愛くないどころかこえーよ…というツッコミ待ちにしか見えない)

眠りについた主人公は水中に身を投げ出され浮かぶ夢を見ます。
目を覚ますと見慣れた風景は一切消えており、異世界に身を置いていました。
(↓画像の右側にいる鳥頭というキャラクターが主人公を手助けしてくれます)

意味深な石造や喋る動物に困惑する主人公。

途中で手に入るお助けアイテムのスマートフォンから
『弟がこの世界にいる』と聞いた主人公は自身の脱出と弟の救出を目標に異世界を探索することに。

弟はどこにいるのか?
なぜ、自分はこの世界に飛ばされてしまったのか?
そもそも、この世界は何を意味しているのか?
異世界ワープ物の王道的ストーリー開幕展開は、ADV好きの心を絶妙に揺さぶってくれます。
ここは地獄!? 鳥頭の正体、まさかの入手アイテム…あなたはどうする?
ドットにて表現され、キレイな音楽が流れる異世界に癒されるのもつかの間。
ストーリーを進行していくと、主人公は誰かが書いた手紙を入手します。
ここが『優しい世界』などではなく『地獄』だと言いたげの内容。
一体、誰がどういう意図で書いたのだろうか…

親切にしてくれる鳥頭は
寝言で「夢の中にいよう、永遠に」と呟き、どこか謎めていて、とにかく怖い。

最終的にある場所で『とあるアイテム』を手に入れる主人公。
ヒントをくれるスマホは、そのアイテムを「鳥頭を倒す秘密」だと言う。

アイテムを持った主人公は鳥頭の元へ向かい、行動を強いられます。
どんな行為をするかは、「よく考えて」行ってみてください。
プレイした感想(ネタバレあり)
アイコンから嫌な予感満々→異世界が超ファンタジーで癒される、アイコンは釣りだな!→やっぱりそんなことなかった!!!!(絶望)と最高な三段構えに心を打ち抜かれました。
私はバッドエンディング直行でしたが、鳥頭を斧で殺す辺りからは鳥肌が止まらず…
リアルに叫びそうになったくらい。
あの演出はずるすぎる…もちろん、いい意味で。
オープニングでの弟の行動(おばあさんが不在時に鳥のぬいぐるみを窃盗した)にはドン引きしてしまったものの、バッドエンディングで死ぬのを見た際は「何もここまでしなくても…」と真顔になったのは悲しい思い出。
これ、一発でバッド回避できたユーザーさんいらっしゃるんだろうかってくらい、ひっかけが凝ってますよね。
ヒントくれるスマホが黒幕なんて思いもしませんでした。
(脱出ゲームの大正義的役割ですからね、スマホさん)
序盤およびエピローグで語られた少女は、弟の前の鳥頭or主人公が壊したスマホのようですね。
さりげない会話の中に伏線があってゾクっとしました。
あの世界は、鳥頭になって死んだ後、スマホに転生するのかなとも感じたのですが(少女は鳥頭時代、弟に殺された→スマホになって主人公に弟を殺すよう誘導していた的な)
課金などで少女の死ぬしかないじゃない系後味最悪のサブエピソードが見たかった…!!
ということは、鳥のぬいぐるみ自体が呪いのアイテムだったのかもですね。
バッドラストでは意味深に目が光っていたりとやばかった…
少女もかつての弟のように盗んだのか、実は少女の所有物だったのか(少女が行方不明になった際におばあさんが手に入れた的な)気になるところ。
考察すればするほど、謎が深まっていく締め方、大好きです。
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