理解者だからこそ結ばれない二人の悲しい頭脳戦の行く先は…


結末は分かっていた。
ひと時だけ抱いた未来は所詮、脆い妄想だと、どこかで確信していた。
俺は、お前の理解者だから……
「Hello 殺戮 world ーZERO ONEー」は短編ノベルゲームです。
本ゲームのテーマは「復讐」と「理解者」
最愛の妹を自分勝手な男たちによって奪われた豊田零が復讐を企てる一方、零に想いを寄せる本田一が『どんな手段を使っても零を殺人者にさせない』ために奮闘します。
どんな結末が待っているのかを予期しながら。
なぜ、本田は零のためにそこまでするのか?
零の復讐を止めた自分の末路を予期していたのか?
それは、本田が零の理解者だから。
皮肉にも零は本田の理解通りの反応を示します。
絶望と果然と対峙した時に、本田と零が下す決断とは……
1~2時間ほどでエンディングがコンプリート出来る短編でありながら、切なさの余韻が非常に色濃く残る内容となっています。
選択式ノベルゲームがお好きな方は、ぜひ、この極上の切なさを味わっては如何でしょうか?
Contents
「Hello 殺戮 world ーZERO ONEー」の基本情報
■ジャンル■
選択型短編ノベルゲーム
■キーワード■
天才・男女・妹・犯罪者・切ない・復讐・理解者
■オススメポイント■
- 天才同士が織りなす『復讐をしたい者』VS『復讐を止めたい者』の頭脳戦
- メインである二人が理解者だからこそ迎える切ない結末
- 切ない中に芽生える温かいプレイ感
- 短時間でシナリオおよびエンディングをコンプリートできるお手軽性
■ストーリー性について■
妹の復讐をした後、自害を計画する豊田零の計画を止めようとする本田一視線のストーリー。
短編故に、互いの頭脳戦はアッサリしているものの、主役二人の信念や信頼関係がしっかりと書かれているのが魅力。
全4エンディングでは、零と本田の譲れない物と想いがぶれることなく書かれている。
切ない男女物が好きなユーザーにはぐっと刺さる内容。
■プレイのしやすさ■
好きなペースで進行可能で、約1~2時間ほどでエンディングのコンプリート可能。
広告は設定変更時およびセーブ・ロードをする際に表示(すぐに閉じられる)される仕様。
■課金要素■
本ゲームに課金要素はなし。
「Hello 殺戮 world ーZERO ONEー」ここが面白い!
理解者同士だからこその切ないストーリー
Hello 殺戮 world ーZERO ONEーでは、零に想いを寄せる本田が形は問わずに『零を犯罪者にさせない』ために動く話がメインとなっています。

本田が自らの将来をも考えず零を助けようとする理由は、『本田にとって零は唯一の理解者』だから。
零と本田は学生時代からの仲で、頭の回転が早いけれど、他人に理解されない共通点を持っていました。
例え、世界中の人間から理解されなくても零だけは理解して、対話をしてくれる。
それが本田にとって世界が一変して明るくなるほどの希望だったのです。

作中では本田の片想いかつ、零にとっての優先度が「妹>本田」感があるものの、零にとっても本田は数少ない理解者であり、大切な人であることが独白でさり気なく書かれています。
一言でいえば、両想い。

しかし、本田はある手段を用いて零の殺人計画を止めます。
(4エンディング中、1つは計画を止められずのバッド)
それをすることによって、零との関係が壊れると分かっていながらも。

選択肢によって変わる本田の行動や結末はどれも切ない締めですが、お互いの信頼感(理解者故の)や手放せない価値観が丁寧に書かれており、悲しみの中に温かさが残る不思議な気持ちを味わえます。
復讐は許される? 心に刺さる疑問とキャラクターたちの答え
本ゲームでは「理解者」というキーワードの他、「大切な人を奪われてもなお、復讐は罪なのか?」という難しい問いかけも重要ポイントに。
序盤では、零の妹である千香が「復讐の可否」についてを姉に問いかけます。
許されないとは分かるけれど、「奪われた人が大切な人ほど、必要なのでは」と答えつつ。
どんな形であれ、犯罪は犯罪。
犯罪者は駆逐されるべき。
遂行して亡くなった人が戻るならまだしも、何も残らない復讐は無意味だと答える零でしたが、その主張は残酷な形で覆ってしまいます。

欲を満たすために妹を蹂躙し、殺した男たちは、過去に同じ犯罪をしているのにも関わらず証拠不十分で無罪。
裁かれず、反省を微塵もしていない男たちに対し、零は復讐を企てます。
しかし、犯罪者は排除されるべきだと幼い頃から思いつづける零は『自分が復讐を成し遂げ、犯罪者になった際には自らも排除されるべき』という決断を同時に下してしまい、本編の幕が開けられることに……

作中では、本田が復讐についてどう思っているのかに関しても描かれており、3人が「復讐」についての答えを提示しています。
どれが正しいかは明示されないところや、キャラクターによっての解釈がことなるところが、本筋とは別枠での魅力となっています。
プレイした感想
シナリオ・キャラクター描写どちらも、無駄のないテキストなのに脳内にじっくり浸透していく感じが絶妙でした。
(セリフの所々でキャラの性格や心情が分かるように作られているのかと)
零と本田の分かりあえているからこそ、結ばれなかった関係が非常にツボです。
結ばれて欲しいけど、二人の気持ちを考えると、安易に結ばれてといえない切なさがやばい……!!!
これが、結ばれない萌え……
まさか零が序盤で犯罪者に対してコメントしていたことが、ラストの描写に繋がるとは…と初エンディングを迎えた際、ただただ感動。
それを理解していた本田の反応が悲しい……
出番が序盤しかない千香でしたが、零の独白で彼女の優しさや、零にはない物がしっかり語られていたので、とても濃い存在感になっていたのも印象的でしたね。
(千香と千香の育ての親のエピソード、短くていいので見てみたかった…)
また、零の復讐相手の男たちは、出番があまり多くないため過剰な描写がされなかったにも関わらずゲスさ・身勝手さが十二分に伝わり、いい意味でヘイトがたまりました。
よく本田は例のシーンで●●するのを我慢できたなあと感心してしまったくらい。
短編ノベルゲーということで、零VS本田の頭脳戦が2回のみだったのがちょっと残念でしたが、二人の計算力と行動に移す早さは味わえたので、どちらかというと満足寄りに落ち着つきました。
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