日常に飽きた少年が不審者なおにーさんと出会った結果…

この おにーさんが いい人だっていう 確証はないのに
なぜか この人に付いていってしまいたくなった
……日常を変えてくれるものなら、なんでもよかった
■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※
ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/19668
RPGアツマール
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm9651
■製作者さまのホームページ■
勝川林邑さまの運営サイト
https://rinyuugame.wixsite.com/rpsgame-aino
Twitterアカウント
https://twitter.com/RinyuuShousen
Contents
「おにーさんにさらわれてみた」の基本情報
■ジャンル■
日常を嫌う少年が非日常へ旅立つADV
- プレイ時間/30~40分
- エンディング/4(ゲーム中の選択肢で3つ回収可能)
■キーワード■
非日常・日常・衝撃の結末・理不尽・不審者・少年・絶対にマネしちゃいけない系
■オススメポイント■
- ドラマチックに見えつつ、当たり前の幸せに飽きた少年が道を踏み外すヤバいシナリオ
- つっこみが追いつかず気づいたらクリアしてしまう疾走感
- 可愛い絵柄と狂気が絶妙にミックスされた雰囲気
- 前作クリア済みだとあらゆる意味で泣けるキャラクターの描写
■ストーリー性について■
当たり前な日常に飽き飽きした少年が不審者極まりないおにーさんと出会うことで人生が一変する話。
非日常だからこそ体感できるであろうインモラルさが生々しく書かれているものの、後味が良いという不思議さが見所。
■プレイのしやすさ■
移動・バトル・逃げ要素一切無しのアドベンチャーゲーム。
エンディングが変わる選択肢が発生する際にセーブができるため、やり直しおよびエンディング回収はとても簡単。シナリオに専念できる作り。
「おにーさんにさらわれてみた」ここが面白い!
一目見ただけでヤバいおにーさんにあえてついていく主人公

ストーリーは学校をさぼってしまった少年・キクジンの独白から始まります。
さぼったのは学校で酷い目にあっているわけでもない、勉強が嫌いだからとか、居場所がないわけでもない。
いわゆる、日常生活に溶け込んでいる平凡な少年でした。
しかし、彼の心にはぽっかりと空いた穴があり、それを埋めたいがための葛藤をしていると……
どうみても不審者です、本当にありがとうございます
なおにーさんに声をかけられ、彼の家へと誘われます。

初対面な男についていけば最悪命を落とすかもしれない。
そう確信していたものの、キクジンは『自然と流れる穏やかな時間』を変えたいがためにあえて誘拐されることを選択。
(拒否して日常に戻るエンディングもあり)
知り合いでも他人でも何でも良かった。
自分を変えてくれるなら。
その選択はキクジンのその後を大きく変えてしまうことに……
非日常を求めて”わざと”さらわれた少年のその後が闇深

おにーさんの家に着くと、キクジンはおにーさんの事情を知ることに。
過去、教師だったが生徒と関係を持ったため、職を失ったこと。
犯罪を犯して人を傷つけた経緯があること。
聞けば聞くほど、おにーさんが『普通でない人間』だと露呈します。
一度だけ逃げるチャンスがありつつもそれを、あえてしないキクジンはおにーさんに自身の希望を告げます。
「つまらない世界にただ流されるのが嫌」だと。
おにーさんなら、倦怠感であふれた日常を変えてくれる。
……だから、もっと関係を持ちたいと。
キクジンの願いを聞いたおにーさんは、寝室へ誘い最終警告をします。

おにーさんの警告を受け入れると笑顔で返すキクジン。
すると
「キクジン君の望んだ危険でドラマチックな世界…俺が見せてあげるよ」
そう言うと、おにーさんはキクジンの首に大きい手を回し……

奈落を知らないから故に非日常を求める少年と、堕ちきった青年。
二人が辿り着く結末は、アンモラルにも関わらずどこか幸せそうでこの作品ならではな後味が楽しめます。
前作プレイヤー必見「おにーさんの独り言」があらゆるところを刺してくる
本作は『純色と肉慾』の続編的な立ち位置にあります。
(クリア済みの方はおにーさんの正体に気づいているかと)
無事に(?)TRUE ENDを回収すると、前作クリア済み者向けのシナリオが解放。
5~10分ほどで読める文章量とは反比例し、闇が深すぎて濃厚な内容となっています。
例の結末を迎えたあのキャラは、今作で何を思うのか…
また、キクジンのその後も知ることができ、衝撃の連続となっているのでぜひこちらも回収してほしいところ。

プレイした感想(ネタバレなし)
タイトルの犯罪臭がヤバいと思ったらシナリオがタイトル以上にとんでもなかった……!!!
製作者さんが絶対にマネしないでくださいと注意書きを徹底している意味が良く分かりました。
おにーさん、見た目が好みですが不審者すぎて笑いました。
(前作を知らないプレイヤーさんがやったら更に怪しさが増してそう)
後半のおにーさん家の背景が寝室になった時はさすがに動揺メーターがMAXに達した次第です。
キクジンは冷めた感じのよくいる男の子な印象があったものの、進めれば進めるほど非日常への歪んだ憧れが垣間見え、平和に生きて来たからこそ汚れた物を望んじゃったのかなと感じずにはいられません。
ただ、各エンディングを見ると、おにーさんに会わなくてもいずれ自分から非日常に走っていきそうな気も……ある意味、キクジンの歪みを組んでくれるおにーさんに出会えたのが救いだったのかも?
オマケシナリオ(おにーさんの独り言)ではめっちゃ楽しそうでしたが、それがいつまで続くのかも闇……
私は前作→今作の順でやりましたが、逆だと逆で新たな発見や驚きがありそうなので記憶を消してプレイし直したい……と思うほどシナリオが考えさせられるレベルでした。
今後も関連したゲームが出る予定とのことなので、とても楽しみです。
※以下、ネタバレありの感想※
プレイした感想(ネタバレあり)
まさかあのヒワがこんなにガチムチ+後悔拗らせをしていたなんて……
(おにーさんは純色と肉慾に登場したヒワです)
彼の犯罪歴を見直すと、前作に登場したクズ教師を遥かに超えたクズ(元)教師になっているのが皮肉というかプレイヤー側からしたら悲しいけれどちょっと萌える不思議。
今まで大人が汚いって毛嫌いして貯め込んでたのがパンクしちゃったのかなという気もしますね。
しかも、ヒワが少女と関係を持つのは前作で失ったモクランを汚せなかった悔恨からというのがもう……
愛情ゼロじゃん……自分勝手な理由じゃん……ヒワに汚された子、救い無しじゃん…
やっぱり純色と肉慾はifエンドになるべきだったんだと感じずにはいられません。
あのエンドはエンドで失うものがあるけど、少なくとも幸せになれたと……思いたい。
ヒワ自身だけでなく、プレイヤーにも強い喪失感を与えてくるのが本当凄いの一言です。
(『おにーさんの独り言』開始時にモクランが出て来た時、泣きそうになりました)
ヒワの生きる理由が歪み過ぎてて辛いと思いながらも、すっかりおにーさんに感化されて、なりたい自分になったキクジンとのバイオレンスなやり取りにほっこりしてしまったり。
突然の腹パンなぜしたし……
二人の間にあるのは友情とは別の物なのかもしれませんが(あと、キクジンが男子だったのも大きい)キクジンという破天荒なパートナーと時間を過ごすことで、多少なりとも枯れた心が癒されるといいなと思いつつ最後は因果応報な末路を辿って欲しいところです。
プレイはこちらから
■ゲームへのリンク■
※PC・スマホ、どちらからもプレイも可能です※
ふりーむ!
https://www.freem.ne.jp/win/game/19668
RPGアツマール
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm9651
■製作者さまのホームページ■
勝川林邑さまの運営サイト
https://rinyuugame.wixsite.com/rpsgame-aino
Twitterアカウント
https://twitter.com/RinyuuShousen